2019年8月7日水曜日

希望

暗きトンネル抜けて
ハッとするは<雪国>ばかりでは無く
人の心にありし

この構図を使いし作品
数多きと思いし
辛き心の先に希望なくば
人は生きられぬ

昔昔光あふるる世界があった
いつも晴天と勘違いする
天気があった

現実と思い出の交錯
思い出と意識の中で
探索し
和歌ができた
字数を増やして
詩ができた

私の進行中の現実は
意識中に現実があるか
現実の中に意識があるのか

そのような事実認識は対立なく
私の中にある 

二個と鈴なりの柿

朝部屋を出る
すぐ目の前に広がる風景
冬枯れの前の秋色
そこに置かれた二本の柿の木
一本には二個の柿
もう一本には鈴なりの柿
この差は野鳥の好みか
好まれれば二個嫌われれば鈴なり
そして残り物を食べる人はいない
二個の柿が落ちた時に冬がやってくる
はっきりと
そしてある日一個となり
霜が降りた

葉桜

春爛漫
満開の桜散り始める
過ぎ去りし日々は正にそれだけで
過去の地層の堆積で
それ自身何を語るか
変化をし葉桜の季節
散った花弁の堆積は地層の一つか

落葉樹の山

帰路のバスの中
遠望すれば
落葉樹の山
緑の持つ濃淡が
霞の向こうにある
バスは切通しで右に折れ
昔通った蕎麦屋あり
東京の一地方の感ありて
わが心バスが走るほどの
自由を持ち
不透明な先行きを考える