2019年1月7日月曜日

夏の日



            夏の日<その1>
     
       目の前の草むらの脇に
       笹が束になり広がっている
       それを見ると実家の庭に出る
       トカゲを思い出す
       戸袋の下にきつい日差しの中
       サボテン間をトカゲが這う
       ちょろちょろと
       その動きは目の動きに似て素早い
       はるか上空には
       入道雲が光る
       思いは遠く異国の地を思い
       目の前のトカゲ一匹を思う

       ふと目を上げると
       鯉のぼりの泳いでいた場所が
       空だ
       その向うに青桐が高くそびえる
       青桐は成長が早く
       他の二本と丁度よく並んで
       三本が天を突くようにそびえる
       左から青桐、欅、樫の木と

       葉は一定のリズムで風に舞うかのよう
       表裏を見せつける
       ぴかぴかと
              <その2>   
                       
       小さな入り江にテントを張った
       半島の夏
       キャンプをしようというわけだ
       そして目の前の海水は役に立たず
       真水を求め
       入り江から少しあがった所、道路迄でる
       其処には水道が来ていて真水がでた
       海の脇とはいえ真水が不可欠という訳だ
       
       南海の赤道直下漂流する一隻のボート
       そこにも真水が不可欠だ
       凪の中
       漂流を続けるボート
       帆は役に立たず
       どこへ行くのか
       偶然発見されるのを待つばかりの運命か
       様々な夏の日