2019年2月15日金曜日

小さな石橋

昔住んでいた家の前には川が流れていた。北側の垣根に沿っていた幅2m程の川に橋が架かっていた。御影石の一枚岩で出来ている石橋という訳だ。たたいて渡る程のことも無かったが。遠い記憶の中で、私は橋の上で母親と一緒にしゃがみ込んで、道路を通る車の数を数えた。そして数
を憶えた。隣のお菓子屋さんが釣り銭を間違えないと褒めてくれた。そのような記憶は一番古い記憶に思える。幼児体験の一番古いやつだ。そしてその後に様々な記憶が甦る。高木の欅の中どうだんツツジの脇で白人の幼児が戯れる。幼児は棕櫚の木をターンして往復する。(おもちゃの車で)私は私で相手になるのでもなくプラタナスの陰で何かをしている。東西軸の廊下のの脇は廊下と平行にプラタナスが植わりその間が子供の遊び場だ。兵士の息子は本国へ帰り何をしているのだろうか。歳は
10歳ほどはなれているので、もう60歳に近いだろう。彼の記憶には私の記憶はないだろう。

都市

モダニズムの作り出す都市は
墓石建築の集合と見なされた
ミース、コルビジェがその走りか
最近のTVでは定点観測的に
都市の風景が広がる
暮れなずむ都市の風景は
夜景が美しい
一つのビルが一つの照明器具らしき
その照明器具はスマートさを
競い合っている
電気都市東京

夕映えのある風景

どこの国へ落下するのか
つるべ落としの太陽
山の向うには広大な国がでもあるか
その時私の国の空が赤く染まる
夕映えた空と山々
夕映えたその向うが未知の国
つるべ落としの太陽
その時だけ自転速度が早まるかのよう

我が国の西の方角には
広大な中国があった
地平線のある国
其処での夕映えた風景は
其処からも西の果てに映るだろう