少年時代僕はプロ野球の二軍の試合を見に行った
観客は少ない
知っている選手は一人だけ
テレビで見かけた二軍落ちした選手だ
何となく風景を独り占めした感、
そしてそのような野球場の向こう側に河が流れる
多摩川だ
自転車での行動半径の南の果てだ
ある時兄に聞いて釣り道具一式を揃えた
それはフナ釣りをやるためである
そして河にでかける
引きは無かったつまり吊れなかった
その時使った餌がサシと呼ばれる蠅の幼虫である
それは小振りな釣り道具に調度あっていた
ある時瓶の中に入れておいた幼虫が蠅に変わった
それは不思議な現象で瓶の中という閉じた系の中で見事に変態していた
まるで質量保存則は成り立たないかのように
それは立派な体格だった