2019年11月27日水曜日

花物語

一輪挿しがトイレを飾る

床の間に花を生ける
庭にドウダンの花が鈴なり

生垣には花のマチエール
カーポートにはお天気草が咲く
花が語る
花が語る
花の持っているシチュエーション

ある時盲腸炎で入院した
部屋の隅が花で飾られる

目の前に
目の前に

花がある

昔昔老人が灰をまいた
花を支えるカリウム

またある時庭で新聞を燃やした
バラの根元に灰をまく
咲き乱れていたバラが
清楚な感じになり
忘れるころ咲いていた

パイプ

紫煙と競って
香りが拡散する
マグリットがパイプに言及する
絵画を見れば
多重的な構成
その構成は
キャンバスを砕く
コスモスだから

群衆

都会のホテル
一人閉じこもる
喧噪の中
部屋の窓から見えるのは
ドームに行きかう
人々の群れ
人生のテーマを考えさせる
親しき物何も無き世界で

曇天多しこの地方
晴れ曇り雨
比率は如何
それぞれ
体に浸み込む天候よ
神の采配感じつつ
晩年を過ごすか
バスは何時ものように走り
人の技と自然の技ありて
十全
それで体がもつのかや

2019年11月23日土曜日

春夏秋冬

     春


自然が芽吹き
花弁が開き
蝶が舞う
カメラ持ち出し
チャンスを狙う


     夏


日はカンカン照り
日傘なしでは
外出無用


     秋


空気が澄み
奈良の都を思い出す


     冬


中央線に乗る
凍てつく山波美しき
立ちはだかる山波よ

鉛筆のような人形

    紫煙の部屋

アンティークな部屋
詩人は煙草を燻らせる


    グリーンの中の青空

ここが大都会の中か
青空の地に高層ビル群が図となる
豊かな緑が首を絞める
そして噎せかえる

     
    薄暗がりの握手


公園の中の浮浪者と
美女が握手をする
薄暗がりの中



    鉛筆のような人形


薄暗がりの中の美女は
鉛筆の様な人形であった

2019年11月14日木曜日

不思議

昔私は多摩川で釣りをした
その時使ったエサが
さし
と呼ばれていた
早い話蛆虫で綺麗な所で育ったものである
ある時瓶に詰まった一匹の
さし
が綺麗な蠅になった
酸素供給は小さな瓶の中身だけで

スピン

夕焼けの里で
朝焼けを見た
オレンジ色に照り映えて
雲が光る
横から入る光は
家々を輝かせた
そして午後一時くらいから
私の部屋は温まる
太陽エネルギーの
強さを悟る

テレビでは
原発反対の
シュプレヒコールが上がる
この国のエネルギーは
この先どうなるのか
日が変わる
例えば今日明日の違い
それも太陽系内の
地球の自転によるか

闇が迫れば
夕焼けを残して
太陽が消える
宇宙船地球号は
スピンしていた

ハイスクール時代

人が青春時代と呼ぶのは
何時の事だろう
私はハイスクール時代をそう呼んでいる
スポーツに熱中し
やけに広い青空があった

ジャスパージョーンズのハイスクール時代という作品が
あった

それがユーモラスなobjで
たびたび思い出す
それはブロンズなんだが
靴のつま先部分に丸い鏡が埋め込んであった
何故か誰かがやっていたような気がする

晩秋の興

落ち葉落ちし
晩秋の
部屋にこもりしはもったいなし
外に出れば
アスファルト多き街中
コンビニで
コーヒー一杯飲みし
歩道に落ち葉落ち
踏みつけられ
痛々しき秋の成果

木漏れ日の部屋

西日の射しこむ部屋は
最高だと
友が言う
緑の色濃い
林があるのか
その木漏れ日が
部屋を彩る
部屋は斑模様の
光に満ちる
溢れ落ちた日の光
密やかに

冬眞近かなる秋

冬真近かなる秋
一人住まいの生活
来月が師走とは信じられず
師走の後にくる正月
人恋しく
兄弟の集合に希望をつなぐ

一人の友がたまにやってくる

何故かフランスパンを抱えて
何故か遠いところ    
何故か遠いところ
夢をはせて
私と同じか

晩秋

花開く春を
遠い思い出として
色ずく秋の色
グリーンの変貌は
花開くより激しく
景色を変えた
里山も遠目に色づき
バスからのビューアを
美しく飾る
赤と黄色の鮮やかさが
秋の命か
図抜けた色
それが散るとき
冬になるか

去り行く時間

バスに乗ると
僕は自由を獲得する
暫く何もしないでいられる
窓辺から見える風景が
流れ去る時間を象徴する
春夏秋冬
目くるめくローテーション
僕なんて大したことも出来んさ
と 独りごちる
去り行く時間の堆積
その眺めがいいとも悪いともいえぬ
しかし
量はかなりあるな

2019年11月5日火曜日

夏の一日

外気の熱気水銀柱を上げ
内気の熱気水銀柱を下げ
温度差何度だろう
室内は居心地良し
 
そんな時
友が遠方よりやってきて
玄関でスイカを下げ
笑ている

大玉のスイカは二つに割れ
細胞分裂した
一つを冷蔵庫にしまう
冷たくなったスイカ何年ぶりだろう
ひょっとすると十年以上か
かぶりつくスイカ一つ
二人では大き過ぎた

夏の光

夏の日射しに葉の表を光らせ
葉の色判別しかねる
夏の日射し強く
昔の夏の風景を思い出す
旅に出た山や半島や島
其処ではバリエーションある光あり
そうゆう所を歩いた
そこで響くは静寂さか
あるいは蝶の羽音か

閉店

つらつら
つらつら

アパートの一室
飽きると部屋を出る
コンビニのコーヒー飲みに
(自前のもあるけど)
朝晩に一番星一等星を見かける
たまに通行人に会釈をする
お早う 今晩は
そのコンビニが
閉店となる
その半額セールより
開店を続けて貰いたかった
店の人たちは
何故か楽しそう
うきうきと
何か僕は見落としたか
うっかりと

雨が降るときの空を見たことがなかった
其れに気ずき
盲点ばやりの世情に気ずく
意外性をしきりと強調する人々
クリエイティブな話をしたい人のコンセプト
普通では済まさせない
なんとロスの多い国だろう
ざわざわと

2019年11月4日月曜日

暗雲

友人と散歩せし折
南の空に暗雲立ち込めし
その黒々とした雲は
不吉な事の前兆か
最近世情怪しきにて
一層思いはつのりし
雲の黒い色は
一種異様な色なり
まるで黒い雨でも降りそうな
夕焼け鮮やかなこの地にて
明日はどうゆう天候なりや

ローマの夏

憂いに満ちた日々の後
友人とヨーロッパへ出かける
パスポートの写真が色黒で
アジア人とゆう感じだ
コペンハーゲン経由でローマに
向かった
ダビンチ空港からバスでテルミーニ駅着
近くのホテルに泊まる
ホテルの部屋には
観音開きのガラリ戸があり
夏の暑さを凌ぐ
そして駅の前一帯はぴんころ石でおおられている
其処をジプシーの子供が走る
長い歴史はその石に轍の跡を刻む
ゲーテの馬車も其処を通ったであろうか
そしてモーツアルトも