2018年12月28日金曜日
2018年12月27日木曜日
野分の後
野分の後
列島を巻き込んだ雨の嵐去る
台風一過の空
今年は騒々しい
澄んだ青空を目撃したが
すぐに低気圧で崩れた
テレビで見る
直撃された島々
壊された庭の数々
それが今年の野分後
ふと古典文学との違いを思う
秋の空気
秋の空気
澄んだ空気が体に滲み込む
シャツをもう一枚着込めば
丁度良いという感じだ
太陽が窓を照らす
絹地のカーテンが光る
窓の向こうの崖をグリーンが覆う
透明感溢縷々それらは
この部屋を明るく照らしている
そして
部屋の中にいる僕も
明るく照らされている
澄んだ空気が体に滲み込む
シャツをもう一枚着込めば
丁度良いという感じだ
太陽が窓を照らす
絹地のカーテンが光る
窓の向こうの崖をグリーンが覆う
透明感溢縷々それらは
この部屋を明るく照らしている
そして
部屋の中にいる僕も
明るく照らされている
青桐
青桐
南側の山際に一本の青桐あり
表皮が苔蒸して緑色だ
葉が生い茂り花が咲く
その下が喫煙空間になっている
ちびた椅子とでかい灰皿が置かれ
そこだけ虐められているという訳だ
たばこを飲み終われば
でかい灰皿で受け止めてくれる
青桐にも無関心で
寂しく喫煙が終わる
愛と悲しみ、嘆きの聖母子像(ピエタ)
友あり遠方より便りあり
ピエタ像がいたずらされたと
後日他の友と連れ立って
バチカンを訪れる
友は『あの忌まわしい事件』と
便りを呉れたが
今は直っている
ガラスケースの中の像は
何とも云えぬ出来映え
愛と悲しみを漂わせて
マリアがいる
そしてキリストの像は
5cm位の刺で覆われている
『直接の死因ではない感じで』
マリアの膝に横たわるキリストは
安住の地を得たかの様だった
トレックキング
トレッキング
八ヶ岳山麓を歩く
ザワワ ザワワ ザワワ
トウモロコシ畑を歩く
ザワワ ザワワ ザワワ
夏の陽光の下
静けさが横たわる
仲間はパースペクティブの焦点にいる
つかず離れず歩く
ザワワ ザワワ ザワワ
風の音のみ響く
ザワワ ザワワ ザワワ
風と陽光と汗と私
どこへ向かうのか
2018年12月26日水曜日
私は太陽を待つ
私は太陽を待つ
梅雨を過ごし、私は太陽を待つ
アオキの枝葉にカタツムリが
のんびりへばりつく
シトシト シトシト
雨が降る
カタツムリは時に空を飛ぶがごとく
意外な所に現れる
シトシト シトシト
雨が降る
私は太陽を待つ
6月のある日裏庭を眺めては
太陽を待つ
建具が開け放たれ
屋根の下は涼しげである
裏庭の地面は苔むしている
万年雪で隠れてしまう以外
グリーンが美しい
一年中
そこに紅葉が一本はえる
くの字曲がった幹を抱えて
2018年12月14日金曜日
あの夏
あの夏
夏と秋がだぶった初秋
人々はゾロ東京へ帰った
未だに山麓にある大学の山小屋にいる
山小屋の近くにススキがはえそろう
それらが初秋を告げ
その時
群れより離れた自分を見つけた
今思えば何を待ち望んでかを
はっきり理解した
ススキを揺らす風が頬をなぜる
その冷気が夏の終わりを告げている
2018年12月13日木曜日
暮れなずむ都市
暮れなずむ都市
林立するビルに明かりが灯る
一台のヘリコプターそこを縫うように飛び
どこかへ立ち去る
暮れなずむ都市とは
そんな感じの映画の一シーンか
ビルの明かりはランダムに配置され
クリスマスには規則正しい
夜光りある都市は美しい
100万ドルの夜景が仕上がるまでの時間を
暮れなずむという訳だ
そしてその季節は夏だろう
2018年12月11日火曜日
山紫水明
小高き山々連なり
谷の中央に道路あり
紫の霞たなびく
御寺が腰を据える
2街道を結ぶ道路をひたすら走る
御寺より遠望すれば
霞たなびき
水清くして淡水魚を食す
杯を交わす程酔いが廻り
竹細工の器数有りて
囲炉裏愉快なり
竹薮深くして
そのざわめきフルートの響きに似て
帰路の車のなかに持ち込まれた
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